ぎょうけんの投資ブログ

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「現代貨幣理論」MMTという経済理論が話題になっているが

 いまアメリカでは「現代貨幣理論(MMT)」と呼ばれる経済理論が話題になっているようだ。この背景には、各国の中央銀行が大規模な金融緩和を行い、マネーの供給を大量に実施しているにも関わらず、物価が思ったように上昇しないことの説明が現在の主流の経済理論ではうまく説明できないことがあるようだ。

 なぜ急に現代貨幣理論(MMT)が支持されてくるようになったのかと考えると、政府の支出を増加させたいと考える人が多くなってきたことが理由と考える。何らかの政策を行うためには、何らかの経済理論が必要だが、このMMTの支持拡大は、将来政府の支出の拡大を行うための理論に利用するための地ならしをしているように思える。

 一方で、現在の主流派の経済学者の方々はこの理論に猛烈に反発しているようだ。この理由について、私は次のように考える。基本的に主流派の経済学者は支配者(富裕層)側の立場に立った主張をする。支配者側は、本音ではインフレになってほしくない(新興勢力との差を維持したい)と考えていることを考慮すると、この猛烈な反発は、政府の支出を一定以上の規模拡大するとインフレになると考えていることの裏返しと読める。

 他方で、現代貨幣理論(MMT)の支持する側は、反主流派側で、こちらは自分たちの勢力を拡大するためには、大衆受けのよい話(財政支出拡大、減税)をしたがるものなので、この理論は非常に都合がよい。また、反主流派側は新興勢力側であることが多く、新興勢力にとっては、ある程度のインフレであったほうが支配者(富裕層)側との差が縮小するため、やはり都合がよい。

 以上のことから、近い将来、政府の財政支出が想定以上に拡大されることになれば、インフレになることはほぼ間違いないと思われる。一番可能性があるシナリオは、不景気になることを防止することや政権交代を防ぐために、必要以上に景気対策を実施することで、このような状況になればまずインフレになるだろう。