ぎょうけんの投資ブログ

主に株式市場に関して思いついたことを記入しています

米国株式への資金流入について

 先月27日に、ネット上で「記録破りの1年、株式ファンドへの資金流入が過去19年間の総額上回る(発信元:ブルームバーグ)」という内容の記事を見た。この記事を見て思うところがあった。

 株に資金を投入するということは、株の売買で儲けようということであり、資金流入が増えたということは、ビジネスでいえば新規参入が増えたのと同じと考えている。そう考えると、人々が株式で儲けたい一心で資金流入が急増した今のアメリカの状況は、ビジネスでいえば儲けようと思ってとある業界に新規参入が殺到したのと同じといえる。

 ビジネスの世界でとある業界に新規参入が殺到すれば、競争が激化しそれぞれの得られるであろう利益が大きく減少する。終いには、損失を出すようになり、退場させられる企業も続出するようになる。

 これを株に置き換えると、株式市場へ大量の資金流入が起これば、株式市場は全体的に買われ過ぎとなり、新たな株式の買い手は高値での購入を強いられる。この状態で勢いに任せて株を購入してしまい、しばらくして何らかの原因で株が買われなくなり株価が下がってしまう(売られてしまう)と、多くの購入者の資産は減少してしまう。たとえ減少してしまっても、すぐに(数カ月程度で)株価が戻ればよいが、株価が戻らなければ損失として処分(売却)せざるを得なくなる。株式市場が弱気のときは、別の新たな買い手は株の購入に慎重なり、株価がかなりの安値になるまで動かないものなので、株式の購入と損切りの連鎖はかなり長く続く続くことになり、最終的には、株を持ってしまっている人々のほとんどが大損覚悟で損切り(株式市場からの退場)をすることになる。

 さらに悪いことに、現在の金融市場のメインテーマは「インフレ」になっているようで、今月のFOMCではテーパリングのペースを加速させる可能性が高いといわれている。このような状況では、インフレが落ちつかない限り株価が多少下落した程度ではFRBは動かない、言い換えると、リーマンショックから続いてきた「株価が下落したら中央銀行が助けてくれる」というのは当面は期待できないと思っていたほうがよい。

 前述した株式への資金流入の状況やFRBや多くの国の中央銀行の金融市場への姿勢から考えて、株価がこれ以上上昇していくのは非常に難しいと思う。また、ここからさらにインフレが予想以上に加速しかつ長期化してしまえば、中央銀行の金融引き締めも予想以上に厳しくかつ長期化することになり、こうなれば一部の人々が盛んに「株式市場は暴落する」という内容が現実のものになってしまうだろう。