ぎょうけんの投資ブログ

主に株式市場に関して思いついたことを記入しています

タンス預金の増加について

 最近の日経新聞の記事に、「タンス預金が今現在でも増加している」というものがあった。投資をしている側としては、自宅などに現金を保管するという行動自体あまり理解ができなかったので、いろいろ調べてみると「将来への不安」や「銀行などに預金しても金利がつかないので意味がない」などの理由でタンス預金をしているようだ。

 このタンス預金の増加は、黒田日銀総裁がこれまで実施してきた大規模な金融緩和の効果が期待されたような効果を発揮できていない理由の1つではないかと思っている。大規模な金融緩和の主な目的は、お金を市場に大量に流出させて金回りをよくすることである程度のインフレを発生させ、このインフレの発生を契機としてインフレが持続するという期待を持たせて、この期待をもとに金回りをさらによくしていくというものだった。しかし、市場に出した金をタンス預金という形で市場外すなわち自宅などに保管されてしまうと、金回りがなくなってしまうことになるので、効果がでないことになる。

 これまでの状況を見ると、大規模な金融緩和を実施してインフレを発生させるという方法は失敗に終わったといってよいと思うが、では、インフレを発生させるにはどうすればよいのだろうか。そのヒントが、さきほど記載したタンス預金を行う人たちが口にしている理由にあると考える。タンス預金をする理由として、「銀行などに預金しても金利がつかないので意味がない」というものがあったが、逆に言えば金利がつくようになれば銀行などに預金するようになるともいえる。預金に金利が付く状況にするには、依然のブログ記事にも記載したが、現状では、一時的にでも政府が財政拡大を行い、金利の機能を復活させる必要があると考えている。政府は、消費税増税のことばかりに対応しているが、1月や2月の景気状況を見るとそろそろ財政出動による景気の下支え策を検討しておくべきと考えている。