ぎょうけんの投資ブログ

主に株式市場に関して思いついたことを記入しています

終身雇用と年功序列の見直しは1石4鳥である

 先日、キリンホールディングスで過去最高益にもかかわらず早期退職の募集を実施するということに関するコメントを書いたが、他の大企業でも続々と早期退職の募集をし始める状況になっている。また、年功序列についても大方の予想通り見直しになり、どうやら諸外国と同様に昇進がなければ40台半ばで給料はピークになりそうだ。こうした動きは短期的には、雇用の不安定化や労働者賃金の低下につながり景気の悪化要因になると思う。しかしながら、長期的には良い面が多々あると考える。その良い面と考える4つを挙げてみたい。

 1つ目は、大企業は余分な人材を囲い込んでいるといわれており、こうした人材が早期退職で大企業から出てしまえば、ほとんどの早期退職者は3割ぐらい低い給与で再び労働者として働くことになると思われるが、起業を行い成功を収めるような人物が千人に1,2人はでてくると思うので、こうしたことにより世の中が活性化すると思う。

 2つ目は、これまで大企業のメリットとされてきた終身雇用と年功序列を目当てにする人材がいなくなることだ。こうした人材は、優秀かもしれないが、目先の利益と現状維持に走る傾向があるため、企業や世の中全体の利益にはあまり貢献しない。また、世間の労働者が、終身雇用と年功序列はもう期待できないと思うようになれば、若い世代の優秀な人材は、大企業ではなくこれから伸びる会社や起業に向かうだろう。そうなれば、日本の今後の経済は意外にも成長していくと思う。

 3つ目は、終身雇用や年功序列をなくすことで社員数(特に忠誠心が高い社員)が減少し、大企業の政治力が小さくなっていくことだ。特に、大企業の労働組合の組織である連合などは社員数がある程度減少してしまうと組織としては成り立たなくなってくると思う。大企業の政治力が小さくなれば、経団連が主導している現在の経済政策(特に法人税減税と消費税増税政策)に変化が出始め、この変化が日本経済を成長させることになると思う。

 4つ目は、正社員の給与が減少することで非正規社員の差が大幅に縮小することだ。これまでの大企業の人事は、終身雇用と年功序列を餌にして、若くて優秀な労働者を正社員として囲い込み景気の変動による仕事の増減を非正規社員で補うという方法をとってきた。よって、囲い込みのため正社員を厚遇し、非正規はたいした待遇をしなかった。しかし、餌である終身雇用と年功序列をなくすのであれば正社員と非正規社員を区別する理由がなくなるため、正社員の囲い込みの費用を削減しようと考えるだろう。また、同一労働同一賃金という世の中の流れもあるので、正社員の給与は減少していき非正規社員の給与は若干は改善するだろう。こうなれば、大企業の正社員のメリットは大幅に減少するため、優秀な人材は、大企業ではなくこれから伸びる会社や起業に向かうだろう。

 これらの内容以外にも良い面はあると思うが、とりあえず今私が思いついた内容を挙げてみた。幾分、こうなればいいなという思いも入っているがそんなに的外れな内容ではないのではと思う。