これからはかなりの円安になる

　タイトルにも記載しているが、私の考えでは今後の為替はかなりの円安になると思っている。理由をいくつか挙げてみる。

　まずは、新型コロナウイルスの影響が世界的に広がっており、これに対する対策として経済活動をかなり制限している状況である。この制限により、所得や仕事を失う人がかなり発生することが見込まれている。これに対して、政府は何らかの救済を行うことが必要になっている。この救済の財源は当然、政府が国債を新規に発行して賄うことになる。アメリカでは、今の時点でGDPの約１０％にあたる約２００兆円の経済対策を行うと報道されており、アメリカより経済の基礎体力が劣る国々（日本を含む）では、GDPの規模でこれ以上の対応が必要になると考える。このため、円に限らずほぼすべての通貨がドルに対して安くなってしまうだろう。

　次に、新型コロナウイルス対策により、国境の出入が制限されるようになっており、これは当然貿易にもかなりの影響がでると考える。となると、これまで日本が外貨獲得のための「為替を円安にし貿易で稼ぐ」という必勝パターンが通用しなくなってくると考える。また、現在政府が推進している「国の出入りを容易にしインバウンドで稼ぐ」という方法は論外で、しばらくの間（十年単位）はこの方法での外貨獲得は無理と思う。外貨獲得の機会が少なくなれば、資源国ではない日本の通貨は安くなることはあってもさらに円高になるとはとても考えられない。

　さらに、日本に限って言えば、長期のデフレにより諸外国と比較して国力が低下しており、これも円安の理由になると考えている。

　まだまだ掘り下げていくときりがないが、これまでの３０年間の円高傾向はすでに転換しており、今後は円安になっていくと思ったほうがよさそうだ。